分譲住宅とマンションのいろいろ

暮らしと家の話は無限です。あらゆる事象がテーマになります。その計り知れない課題に取り組みながら、家作り、暮らしづくりを、設計者も施工者も、そして住み手も、ともに日々悩みながら取り組んでいます。

さて、これから分譲住宅を買おうされる方はどのようにして自分の家を構想し、その構想に基づいてどのように建築していくのかという問題にぶつかります。身近には、住宅展示場があり、そこを見学しながら、本当にいろいろな工夫やデザインがあるのだなと感心されると思います。問題なのは、どれが良くてどれが良くないのかを、どうしたら判断できるのかということです。実際には、すべてお任せで住宅メーカーの基本プランの中から選び、仕様の選択をしていくという方がおおいのではないでしょうか。

戸建てとマンション

昔ながらの住み方と言えば、戸建てが多かったのですが、最近はさまざまな便利さから、マンション住まいを求める人々が多くなってきました。住まいの価値観は時代と共にかわります。都心住居を実現する超高層マンションにも多くの方々が大きな関心を寄せています。しかし、震災に遭遇した途端、家財は崩壊し、停止したエレベータを尻目に長い長い非常階段を、買物や用便、情報を得るために上がり下がりしなければなりません。震災後のあるアンケートでは、7割近い居住者がもう一度マンションに住みたいとは思わなくっているようです。今のマンションは、居住者から集めた管理費で管理会社に管理を委託し、居住者が何もしない例が多くなっています。これでは、居住者同士のコミュニケーションも育成されませんし、建物に愛着も出てきません。そうなると、建物の使い方も乱暴になり、きれいに維持管理された住環境は実現できません。つまりは、資産価値も落ちてしまうということになります。

これは、戸建てならいいということにもなりません。隣近所との協同した管理がないと、戸建てもいいコミュニティ形成につながらないということは同じです。コミュニティの形成のためには協同部分の仕掛けを持つということが必要です。こういう従来は、煩わしいと思われていたことが現在では、その良さが改めて見直されようとしています。

大都市圏での分譲住宅

大都市圏において、通常の感覚で考えるところの通勤範囲内では、分譲宅地、分譲住宅を手に入れることはほとんどできません。なぜなら、大手ディベロッパーとはいえ、大規模な分譲地、住宅団地を開発するためには莫大な資金がかかるからです。現在のように低迷する経済状況のなかでは、土地の値上がりの望めない宅地開発をするわけがありません。そのため、分譲宅地がほとんどないというのが現状です。