分譲住宅の販売方法

戸建て住宅を分譲販売する業者は、都市計画法上の市街化区域内に分譲用の宅地を確保しています。そうした宅地は、大規模な山林から、住宅地のなかにある小さな宅地までさまざまです。また、業者が購入して取得した土地であったり、地主の協力によって土地を提供してもらい共同事業として行うための土地であったりします。いずれの方法でも、住宅地として開発や宅地造成をして分譲販売する事業の中心となる業者を、通常ディベロッパーと呼びます。住宅団地を造るための開発行為や宅地造成などの工事資金、土地取得のための投下資本などが莫大であることから、一般的には大手不動産業者がディべロッパーとなります。

一方で、主に首都圏や大都市圏の既存住宅地など、比較的小規模な土地を購入して細分化し、法規制による開発行為を伴わない規模の分譲地で分譲住宅を販売する中小の不動産業者もまた、ディベロッパーと呼ばれます。このように、法規制による開発行為を伴わない分譲地をミニ開発とも呼んでおり、近年の大都市圏における分譲住宅ではこの形式が急増しています。

分譲住宅の販売方法

①建売方式
区画割りした分譲宅地に住宅を建ててから土地・建物を一括で販売する形式です。戸建て住宅の分譲方式のなかで最も多いケースです。この販売形態では、土地と建物の所有権付きで分譲することが多いですが、近年は土地だけ定期借地権、建物は所有権での分譲という方式を採用しているケースが増えています。
※定期借地権
50年以上、30年以上と言った、ある一定の借地契約期間が満了したら、借主は原則、更地にして土地所有者に返還するという不動産賃借方法のこと。借主にとっては、土地代よりも安い保証金を地主に払えばよいことから比較的少ない負担で家を建てられるなどのメリットがあります。反面、契約期間は更新できないこと、更地にする際に解体費用は自己負担になるなどのデメリットもあります。

②売建方式建売住宅
建物は未築であるにもかかわらず、建築確認を取得した設計図があり、土地とこれから建てる住宅とを抱き合わせて販売する方法です。

③建築条件付き分譲住宅方式
建築条件付き分譲とは、ある一定の期間内に建物を建てるという条件付きで宅地を分譲する方式のことをいいます。この方式では、まず不動産会社、建設会社などがディベロッパーとして分譲販売している宅地を購入し、その後、通常は3ヶ月以内に指定されたハウスメーカーや工務店と建物のプランを打ち合わせて決定し、工事金額を決め、建築工事請負う契約を結びます。